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商事 (1)船舶金融(シップファイナンス)

我が国は世界有数の造船大国です。波の穏やかな瀬戸内海や湾内に面した我が国の地形が造船業を営むのに適していることはいうまでもありませんが、特筆すべきは世界でもトップクラスといえるその技術力の高さでしょう。このような高品質の船舶を入手するために世界各国から注文がなされ、非常に多数の船舶が建造さています。また、こうした日本の高度な技術は東アジア諸国の造船技術の向上にも寄与し、物流の激増に伴う世界的な船舶需要の拡大は、韓国では勿論、中国において、造船を巨大産業に変貌させつつあり、世界の造船の8割以上がこの3国に集中しております。
  建造される船舶は、国内航行向けの小型のものから、海外航行向けの大型船まで、その種類もバラ積船、RoRo船、タンカー、冷凍船、LNG船、自動車運搬船など、多種多様です。船舶の建造購入価格は、一般貨物でも数十億に高騰しており、タンカーあるいはLNG船ではゆうに百億、数百億に達しています。これほどまでに高額になった船舶でも、その需要はとどまることを知りません。大型船や特殊な仕様のタンカー、船舶購入資金の銀行等からの借入れに対しまして、借入れスキームの立案、助言、相談を行い金銭消費貸借契約書はもとより、船舶抵当権設定証書、保険債権譲渡担保証書、傭船契約譲渡担保証書等の作成をし、借主貸主双方が安心して取引できるよう助力致します。
 外航船の場合、便宜置籍船制度を利用して、船舶は、パナマ、リベリア、香港、シンガポール等に登記されるのが通常ですので、抵当権またその他の登録可能な担保権の登記・登録についても、その船籍国にされることになります。また、借入れに関しまして外国会社を保証人に立てる際には、国によっては政府許可が必要な場合や、担保の設定において、関連する国際条約を遵守しなければならない場合も多々あります。当事務所では、このような登記登録手続が、確実かつ滞りなく行われるために、条約や法規制を十分調査した上で各国の弁護士及び政府機関と連携して万全のサポート体制を整えています。

 

商事 (2)外国船会社の設立・管理

我が国の船舶法1条は、原則として日本の会社(日本法令よって設立された会社で、その代表者の全員及び業務を執行する役員の三分の二以上が日本国民である会社)が所有する船舶は日本船舶としなければならないと規定しており、日本の会社は外国船舶を原則として直接所有することができません*。従いまして、上記のようなパナマ船、リベリア船、香港船、シンガポール船等様々な旗国の船舶を船主が所有、運営するためには、船主が外国会社を、設立又は所有し、その会社の名義で船舶を登録する、すなわち、かかる外国会社を通じて船舶を間接所有することになります。当事務所ではこのような外国会社の設立、維持につきましても、そのニーズに合わせまして、万全なサポート体制を整えております。もちろん各国の弁護士とも太いパイプを有し連携して業務を進めますので、安心かつ充実したサービスの提供が可能です。また船会社ではないお客様も、タックス・ヘブンの国々での会社設立等をご希望、又は既に会社を有しているお客様の相談も承っております。

近年、外国子会社と日本の船会社が、便宜置籍船を共有する形態で所有することで、外国船舶の日本の会社が共有名義ではありますが外国船を直接所有することに、成功しております。日本の船会社がこのように当会社名義の下、直接船舶を所有することを希望する理由は、外国子会社の収益については日本の親会社の収益として課税されるのに、子会社の損失については、親会社の損失とされず、税の減免の対象にならないという我が国の税法のアンバランスにあります。すなわち、親会社が直接所有することで、当該船舶についての負債も計上できるという税法上の便宜を図ることが出来るのです。租税特別措置法の許容範囲で低税率の外国に子会社を保有することで、日本の法人税の実質的な低率化を図るプランも実現しています。当事務所ではこのような海事独特の税法上の問題についてのアドバイスも行っています。

 

商事 (3)海事倒産

近時の船舶の需要の激増は、中古船市場や傭船市場の高騰を招いており、別段の事業の破綻の原因がない限り船舶会社の倒産は予想しがたいのですが、こうした右肩上がりの状況が永遠に続くとは考えにくく、いずれは海運不況の再来を予想する関係者の数多くいます。船舶に融資した金融機関にとって、船会社の倒産は深刻な結果をもたらします。

 船会社でも、外航業者の倒産は、他の業界と異なり、極めて特殊な関係を露呈します。多くの外航船は、日本船主ではなく、その子会社である外国(多くはパナマ、リベリア、香港、シンガポールといった便宜置籍国)の法人が所有していますので、日本船主が倒産しても、当面、船舶維持、運行には支障をきたさないという現象が生じます。
 しかしながら、子会社とはいっても、実体のないペーパーカンパニーですので、親会社の倒産は事実上の破綻を伴います。従って、一方で、日本国内で日本船主に対する強制執行、破産、会社更生、民事再生などの倒産手続きにおいて、適切な対応をしながら、他方で、船舶や保険や傭船等に対する担保権を実行し、債権回収を図るとともに、代替船主による船舶の管理と傭船継続といっ特殊な取り組みの必要も生じます。

 船会社の倒産は、金融機関だけでなく、船員の給与も遅配となりますし、燃料、食料品、潤滑油の供給業者や修繕業者にとっても深刻な事態を招来いたします。これらの債権者にとって、唯一ともいえる改修策は、船舶先取特権などの海事特有の担保権の実行です。船舶は、世界中を動き回るわけですから、何時、何処で、どんな担保権が認められ、担保権を実行すればいくら回収できるのか即座に調査しなければなりません。抵当権との優劣も重要な問題で、この点は、抵当権者である金融機関の立場からも求められ、最重要課題です。

 倒産は、船会社だけではありません。新造船を購入する日本の船会社に建造代金の前渡金を融資した金融機関にとって、造船所が倒産した場合には、竣工後の担保と予定している船舶は未だ完成しておらず、無担保という極めて深刻な事態を招来します。内外の倒産法を超察して、建造中の船舶に対する差押などの法的手段の着手、保証銀行からの回収、保全管理人や管財人との交渉や和解といった、素早い対応を必要とします。

 当事務所は、過去複数回に及ぶ海運不況の歴史の中で、数多くの経験と実績を積み重ね、諸外国の海事法や倒産法を専門とする法律事務所とのネットワークを構築し、いつでも、こうした事案にも迅速に対応できる体制を整えております。現在の活況な海運造船に市況にあっても、倒産事案も少なからずあり、現にその処理に成功しております。

 当事務所では、さらに船会社が財政危機に陥った場合の破綻回避と債権回収の融和的な解決策の提供など、単なる法律業務にとどまらず、私的な企業再建と金融機関の債権回収と償却のための種々のスキームの立案やその実施をも行っております。





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